東京高等裁判所 昭和26年(う)4146号 判決
所論の要旨は、原判決が、原審弁護人のした公訴時効完成の主張に対して、判断をしないのは、違法であるとの趣旨に解されるので、記録を調べてみるに、昭和二十六年七月十七日の原審第二回公判において、弁護人が、被告人の犯した本件葉たばこ不法所持罪は、その一部を除いて、公訴の時効が完成したから、判決をもつて、免訴の言渡をしなければならないとの旨を主張したこと、及び原判決が、弁護人の右主張に対する判断を明確に示していないことは、いずれも、所論のとおりであるが、しかし、犯罪事実の公訴時効が完成したとの主張は、刑事訴訟法第三百三十五条第二項の主張に該当しないものと解すべきであるから、原判決が前示のように、弁護人の右主張に対する判断を判決に示さなかつたからといつて、原判決に、所論のような理由不備その他の違法があるものということはできない。
論旨は理由がない。